いすゞと日野を結んだトヨタの思惑 トラック業界にも迫る電動化の波

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貨物トラックでシェアを二分するライバル同士が手を組む。

会見には3社トップのほか、トヨタの商用車部門責任者で合弁会社の社長となる中嶋裕樹氏(左端)も出席した

大変革期を迎えた自動車産業で、貨物トラックを舞台とした国内大連合が動き出した。

トヨタ自動車といすゞ自動車は3月24日、資本業務提携を結び、自動運転や電動化など「CASE」と呼ばれる次世代技術への対応で協業すると発表した。

トヨタ子会社の日野自動車を含む3社が協力して、中小型トラックを中心に電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)を開発するほか、自動運転技術、通信プラットフォームの開発にも共同で取り組む。一連の協業を推進するため、トヨタが8割出資する合弁新会社も4月1日に設立した。

今回の提携に伴い、トヨタがいすゞ株式の約5%を428億円で取得し、いすゞも同額のトヨタ株式を取得する。両社は2006年に小型ディーゼルエンジンの共同開発を目的に資本業務提携したが、具体的な成果が出ず、18年に提携を解消した経緯があった。

いすゞと日野は日本の2大トラックメーカーで、合計の国内シェアは8割に及ぶ。収益が厳しいバス事業では効率化のため、設計・生産を折半出資の合弁会社で行っているが、それぞれが主力とするトラック事業で手を組むことは考えづらかった。

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