ソフトバンクG次の一手 MBOの臆測呼ぶ資産売却
英アームなどの資産売却が加速。膨らむ軍資金の使い道とは。
「事業家としての人生最高の日だ」
2016年7月18日。ソフトバンクグループ(SBG)は英半導体設計会社のアームを約3.3兆円で買収すると発表した。この日、SBGの孫正義会長兼社長は記者会見で感慨深げにそう語っていた。
「最高の日」から4年余り。SBGは9月14日、アームの全株を米半導体大手・エヌビディアに最大400億ドル(約4.2兆円)で売却すると発表した。孫氏は当時、「これからやってくるIoT(モノのインターネット)のパラダイムシフトに向け(カギを握る半導体分野に)先行投資する」とアーム買収の意義を語っていただけに、あっけない“別れ”となった。
だが、「SBGはもはや投資会社だ」と孫氏自身が明言している。アームを「純投資」の一環として捉えると、単純計算で4年の間に9000億円分、価値が上昇したことになる。
今回の売却でSBGは120億ドルの現金と、エヌビディアの株式215億ドル相当(約6.7~8.1%)を手にする見込みだ。また、アームの業績が一定の財務指標を達成すれば、株式か現金のいずれかで最大50億ドルがSBGに支払われる。
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