有料会員限定

アメリカの株価指数が堅調に推移する合理的理由 市場は3月時点で最悪シナリオも織り込んでいる?

✎ 1〜 ✎ 516 ✎ 517 ✎ 518 ✎ 最新
拡大
縮小
市場参加者のほうが評論家よりも賢いのだろうか(写真:REUTERS/Jeenah Moon)

筆者は金融市場の研究に40年近く費やしてきた。あいかわらず金融市場は目まぐるしく、複雑で、魅力的であると感じている。

この記事の執筆時点で、株価指数「S&P 500」の4月27日の終値は2878だった。これは過去6週間で最高の終値だ。COVID-19パンデミックの直前に達した過去最高値を15%弱下回ってはいるものの、3月の最低値を約30%も上回っている。

この堅調な株価指数は、米国経済が大恐慌以来見たことがない規模で後退に向かうことを示す証拠の増加に真っ向から背いているようにみえる。なぜ米国の株式市場(およびその他の多くの市場)は堅調なのか。これまでもたびたびそうであったように、市場参加者のほうが評論家よりも賢いのだろうか。

市場は陰鬱な説も織り込み済み?

1月の時点では、COVID-19のアウトブレイクにより、多くの国でV字型の景気後退(急激な下落に続く急激な回復)が起こると予想されていた。世紀の変わり目以降、SARSやその他の伝染病蔓延の際にはそれが起こっていたからだ。4カ月が経った今も株式市場が堅調なのは、政策立案者がV字回復を「何としても」やり続けるという想定を信じ、不合理な希望にすがっているからかもしれない。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内