東京五輪は日本自らが「延期」を提案するべきだ IOC任せではなく自主的に動いたほうがいい

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おおまえ・けんいち 1943年福岡県生まれ。ビジネス・ブレークスルー大学学長に就任し、日本の将来を担う人材の育成に力を注ぐ。(撮影:尾形文繁)

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日本における新型コロナ問題は、3点に整理して考える必要がある。1つ目は、国内の感染をいかに防ぐか。2つ目は、東京五輪の中止をいかに避けるか。3つ目は、経済への影響、中国のサプライチェーン問題だ。

まず1つ目の問題。現時点ではウイルスの実体がまったくわからない。それを防ぐ方法も、医薬品もない。そのため、ウイルスのパンデミック(世界的な感染拡大)ではなく、「恐怖のパンデミック」が先に発生している。

実体がわかれば恐怖は広がらない。インフルエンザは致死率0.1%弱で、米国では今シーズンで2500万人も感染し、2万人近く死んでいる。ただ誰も恐怖心を持たない。予防接種も治療薬もあるからだ。

恐怖のパンデミックを止めるには、政府の広報戦略が極めて重要だ。クルーズ船の患者を日本の統計に含んで発表しているマスコミを放置しているのはあまりにも無神経。感染したとしても多くの患者が短期間で回復して退院していることを積極的に伝えて、国民に安心感を持ってもらう必要がある。現状わかっている範囲では、インフルエンザと比べて、格段に危険ではない、というメッセージも必要だ。

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