新型コロナ不況が追い打ち、企業倒産・廃業は急増必至 苦境に立つ中小・零細企業

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頼みの綱だった中国人観光客の激減が響き、新型コロナ関連の経営破綻第1号となった冨士見荘(朝日新聞社/時事)

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三河湾を望む愛知県蒲郡市の西浦温泉。そこで最も歴史のある老舗旅館「冨士見荘」が2月21日までに事業を停止し、破産申請を弁護士に一任した。これが、新型コロナウイルスの影響による国内初の経営破綻(負債総額は未定)となった。

東京商工リサーチによると、この旅館は2000年代に入って業績不振が続いていたが、近年は需要が高まる中国人ツアーの取り込みを強化し、経営立て直しを図っていた。宿泊客の8割方は中国人観光客だったという。ところが、新型コロナの影響で中国からの団体ツアーのキャンセルが激増。先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。

その後も、北海道のコロッケ製造「北海道三富屋」(同約7400万円)、兵庫のレストランクルーズ船運営「ルミナスクルーズ」(同約13億円)、大阪の雑貨店経営「愛織」(同数億円)など新型コロナ関連の破綻が続く。いずれも一般消費者やインバウンド客(訪日外国人)の需要に密接に関係した企業であり、新型コロナショックによる需要急減の直撃を受けた。

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