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ずいぶん以前、マルクスを読みなおす趣旨の小論を書きあげたあと、まったくの偶然ながら、中国で出たマルクスにちなむ文章、およびそれをめぐる論争について教えてもらった。その文章とは、昨年1月11日にウェブ上で公になった周新城「共産党人は自らの理論を一言で要約できる──私有制の廃滅」である(http://www.cwzg.cn/theory/201801/40545.html)。
タイトルは、言わずとしれたマルクス・エンゲルスの『共産党宣言』の一節で、そのまま論題にしたらしい。中身を読んでも、ほぼ題目どおりだった。
「公有制を打ち立てよ」
周新城は1934年生まれの著名なソ連東欧研究家、マルクス学の泰斗である。ゴリゴリのマルキストというほうがわかりやすい。「私有制を廃止し公有制を打ち立てることこそ、共産党人の使命である」と言い放ち、私有制を称賛し「赤裸々に反党反社会主義をとなえる」中国の経済学者を痛烈に批判した。そんな論文である。
そもそも現行の体制「社会主義市場経済」とは、ごく便宜的な言行不一致であった。概念的論理的には、はじめから破綻している。中国が達成した長期にわたる経済発展に幻惑されて、みなそのことを忘れてしまった。あるいは失敗に帰した社会主義・共産主義など、誰もマジメに考えなくなったのかもしれない。
それだけに周新城の主張は、中国国内で騒然たる論争をまきおこした。多くの経済学者が試みた反論は、市場経済と財産所有権こそが、フェアな経済競争のルールの前提であり、共産党の支配体制と両立すると説いている。鄧小平以来の「社会主義市場経済」概念をなぞる論理にほかならない。
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