官民ファンドは必要なのか 産業革新機構の実績で検証
日本最大の官民ファンド、産業革新機構がJICに衣替えして再出発した。これまでの9年間の投資実績を検証しJICの意義を考える。
「ベンチャー投資の中心である米国で、とりわけ高成長が期待されているバイオ・創薬分野で1号ファンドを設立する」
10月26日に官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)の田中正明社長は高らかに宣言した。JICは2009年に設立された産業革新機構を改組して9月に発足した組織である。
官民ファンドには、民業圧迫、あるいは政治家や官僚の意向を重視するあまり利益軽視となりやすい、といった批判がある。一方、日本に有力なベンチャー企業が育っていない、あるいは業界再編が進まず国際競争力が低下している、という課題に対処するものとしての期待もある。
JICの船出に際し、どうすれば官民ファンドの弊害を減らし、日本経済へプラスの効果を与えられるのか──。それを考えるために革新機構の9年間を振り返り、その実績を検証する。
革新機構はこれまで135件、約1兆1078億円(支援決定上限額)を投資してきた。件数ではベンチャーなどが8割だが、金額では2割強。大企業を中心とした事業の再編案件が金額の5割超を占める。
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