トランプの暴走止まらず 米国で広がる対中脅威論 検証 米中貿易戦争(前編)
火ぶたが切られた米中貿易戦争。暴走する米国に報復する中国。米中それぞれの思惑と今後の世界経済、日本経済への影響を連載で検証。
米中貿易戦争がついに現実となった。自由貿易の旗手を自任してきた米国が、保護貿易主義へ大きく舵を切った。
トランプ米政権は今年3月、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を、日本を含む各国に発動。同時に中国から米国へ輸入する500億ドル(約5.5兆円)相当の製品について追加関税を課す制裁案を表明。そのうち340億ドル(4兆円弱)相当を対象にした25%の追加関税が7月6日に発動された。同日、中国も同規模の報復に踏み切った。
米国は残りの160億ドル分についても7月中に発動するとみられ、7月10日には農産物を中心に2000億ドル(約22兆円)相当、6031品目の追加関税リストも公表した。
このまま制裁と報復の応酬が続けば、世界経済に大きな悪影響を与えるのは必至だ。トランプ大統領は、中国に向けて振り上げた拳を、どこへどう下ろすのか。
米国議会・産業界からも対中批判が強まる
トランプ政権が史上まれに見る規模で追加関税を課す第1の理由は「今年11月の米中間選挙に向けての支持者へのアピール」にある。トランプ氏にとって中間選挙で与党・米共和党が勝利することは、自身の大統領再選にかかわる重要な節目となる。
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