金正恩 経済再建の野望 中韓に近づき活路探る
米大統領との会談を実現し、中国や韓国との関係改善を進めるが、経済の弱さは深刻。非核化による制裁解除がなければ再建はない。本誌:福田恵介[写真]トランプ米大統領(左)と笑顔で話す金委員長の「非核化」は本気か
北朝鮮が「非核化」を約束した。そして経済再建に取り組もうとしている。しかし、その前途は楽観できるものではない。
6月12日、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長はトランプ米大統領と史上初の米朝首脳会談をシンガポールで行った。その共同声明では「北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けて努力することを約束する」と明記された。しかし、非核化を検証する方法や期限は示されなかった。本当に非核化はなされるのか。それは今後の米朝による実務対話の進捗に懸かっている。
こうした不確定な状況であるにもかかわらず、韓国は北朝鮮との経済交流を前のめりに推し進めようとしている。人口7500万人を擁する「統一」朝鮮半島がもたらす経済効果を狙ってのことだ。
米朝会談に先立つ4月27日に行われた南北首脳会談での「板門店(パンムンジョム)宣言」では、韓国と北朝鮮の間で経済協力を進めることが記され、具体的な経済協力案も議論され始めた。その中心にあるのが、韓国大統領に昨年就任した文在寅(ムンジェイン)氏が大統領選挙のマニフェストなどで明らかにした「朝鮮半島新経済地図」だ。
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