新興国から逃げるマネー ミセス・ワタナベも悲鳴
米国の利上げでドル高・新興国通貨安が進みやすい地合い。特にトルコとアルゼンチンが暴落している。
「阿鼻叫喚の地獄かな」「強制ロスカットくらいました。損295万円」「もう悲劇……。体が悪くなる」「新興国通貨って、すぐに半値とか、3分の1とかになるよね」
為替取引をめぐるインターネット上の掲示板には、最近このような書き込みが増えている。海外で「ミセス・ワタナベ」と呼ばれる、FX(外国為替証拠金取引)を行う日本の個人投資家の悲鳴だ。
新興国通貨の一部が暴落している。特にミセス・ワタナベを直撃しているのがトルコリラだ。年初から6月18日までの下落率は20%弱に達する。
背景にあるのは米国の利上げ。FRB(米国連邦準備制度理事会)は昨年3回、今年もすでに2回の利上げを実施。ドル高・新興国通貨安が進みやすくなっている。
通貨リラ安に対抗するため、トルコ中央銀行は8%だった政策金利を一気に16.5%へ引き上げると5月28日に発表した。底打ち感は出たもののなお不安は残り、6月7日にはさらに17.75%へ追加利上げを行った。足元の相場は6月24日の大統領選挙と総選挙を意識し、様子見のモミ合いが続いている。
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