今年3月、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長が電撃訪中して以降、中国と北朝鮮が蜜月関係を対外的にアピールしている。史上初の米朝首脳会談へ向け各国の思惑が蠢く。
4月15日、金正恩朝鮮労働党委員長が、訪朝した中国共産党中央対外連絡部(中連部)の宋濤部長と中国芸術団を「温かく」歓迎した。外交部が国家間の外交を担うのに対して、中連部は他国の政党との交流を行う機関である。もともと、江沢民元総書記の影響が強く、遼寧省の北朝鮮ビジネスも上海閥の大ボス周永康の利権であったという。
しかし、2015年11月、習近平総書記は、上海閥に近く北朝鮮と関係が深い王家瑞氏を中連部部長から人民政治協商会議副主席という職へ移し、代わって自らに近い宋濤氏を同部長に据えた。
これを北朝鮮は快く思わなかったようだ。16年5月、駐中国北朝鮮大使館が「第7回朝鮮労働党大会開催祝賀行事」を開催した際、中国側の主賓として王家瑞氏が招待され、現職の中連部部長である宋濤氏は招かれなかったからだ。
今回、その宋濤氏が金正恩委員長に歓迎されたのだ。しかも、中朝蜜月を思わせる歓待ぶりである。北朝鮮が対中姿勢を変化させるには相応の理由が必要である。
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