対話攻勢に出た北朝鮮 非核化の道筋はつくか
南北・米朝首脳会談で電撃合意。ただ積み重なった不信感が残っている。
朝鮮半島情勢が大きく変わろうとしている。4月末に南北首脳会談、5月までに米朝首脳会談が行われる。これまで圧力一辺倒だった対北朝鮮政策が、根本的に変わりそうだ。
3月5日、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は、訪朝した韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の特使団と南北首脳会談の実施に合意した。実現すれば、2000年6月、07年10月に続き3度目の南北首脳会談となる。
核実験とミサイル発射を繰り返してきた北朝鮮が対話攻勢に転じたことは、さまざまな憶測を呼んでいる。米国主導による経済制裁が効き苦境を脱するため、あるいは核・ミサイル開発をさらに進める時間を稼ぐためといった指摘がある。
そうした側面もなくはないが、首脳会談の合意は、金委員長の計画に沿ったものと見るほうが正解に近い。その理由は、今年発表された新年の辞にある。「核武力の完成」と「戦略国家」の二つがキーワードだ。
北朝鮮主導で進む
核武力が本当に完成したかどうかはわからない。ミサイルに装填できるほどの核爆弾の小型化は完成に近いとされるが、ミサイル発射後の大気圏再突入技術や飛行制御技術はまだ完成していないという分析もある。だが、なぜこの時期に金委員長が「完成」をうたい、自国を「戦略国家」だと位置づけたのかを深く考える必要がある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら