なぜ世界中の視聴者や制作者を引き付けるのか。エンタメ業界にゲームチェンジを起こしつつあるネットフリックスの実像に迫る。
米カリフォルニア州・ロサンゼルス。観光地としても名高い「HOLLYWOOD」の文字が並ぶ丘陵を正面から望む場所に、有料動画配信サービスで世界最大手に上り詰めた米ネットフリックスの新たな拠点がある。
2017年2月に開設された同社のロサンゼルスの新拠点(上写真)には1800人が勤務する。主にコンテンツ制作にかかわる作業や技術開発を担う。新拠点の設置により、創業以来本社を構えるシリコンバレー(2300人が勤務)との2拠点体制を構築し、“エンタメ×テック”を武器にした市場開拓を全世界で加速する。
190カ国以上に進出 株価は今年6割上昇
動画配信はIT業界の中でも成長著しい領域だ。テレビ、パソコン、スマートフォンなど、あらゆる端末に対応する配信サービスが次々と勃興。いつでもどこでも動画を見る文化が浸透した。通信網の発展もこれを後押ししている。
ユーチューブのような無料動画中心の視聴・共有サービスは、動画再生前に挿入する広告で稼ぐ。これに対し、ネットフリックスをはじめとする有料動画配信は会員が払う会費が収益源だ。会費は米国で月8ドル弱〜14ドル弱、日本で650〜1450円(税抜き)。利用者は一定料金を支払うことで、プロが制作した映画やドラマ、ドキュメンタリーを広告に煩わされずに楽しめる。有料ケーブルテレビの契約者が多い米国でその代替や追加の選択肢として普及してきた。
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