中国空軍の大型爆撃機が宮古海峡や台湾周辺を通過飛行し、近隣諸国の緊張が高まっている。中国が意識するのはグアム島の米軍基地への牽制だ。

今年11月、南シナ海に現れた中国のH-6K爆撃機。8月以降、周辺国への飛行が活発化している(Avalon/時事通信フォト)
11月19日、中国空軍のH-6爆撃機4機が、Tu-154情報収集機1機およびY-8電子戦機1機とともに、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡の公海上空を往復した。
航空自衛隊はスクランブルをかけたものの領空侵犯はなかったという。中国軍機が宮古海峡上空を飛行するのは久しぶりのことだ。
2016年度、中国軍機は計18回、宮古海峡上空を通過飛行した。その回数が今年に入って、目に見えて減少している。4月から6月まで一度の飛行もなかったのだ。
その後、8月に飛行を再開して、計4回にわたって宮古海峡を通過し、同月24日に爆撃機6機が紀伊半島沖まで飛行したことが注目された。今回の飛行はそれ以来ということになるが、爆撃機が飛行すること自体が周辺諸国に対して軍事的圧力をかけることになる。
北朝鮮に核兵器放棄を迫って米国のB-1B爆撃機が朝鮮半島周辺を飛行し、これに北朝鮮が敏感に反応することを見ても、爆撃機の飛行が周辺国に与える軍事的圧力の大きさが理解できる。
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