「危ない地銀」に先攻 金融庁、新監督手法で
地銀を対象に金利リスクの新監督手法を導入。業界再編の呼び水になりそうだ。
7月で在任3期目に突入した金融庁の森信親長官(上写真)。金融改革に辣腕を振るって注目されてきたが、その総仕上げとして、新たな監督手法を導入する。実質的なターゲットは地方銀行だ。
従来の形式的なモニタリング手法を見直し、新たな指標によるチェックや地銀との踏み込んだ対話を通じて早期に「危ない地銀」をあぶり出すというもの。2019年3月期から採用し、問題のある地銀には、ビジネスモデルの変更や他行との再編を迫っていく考えだ。
手始めに金利リスクの監視で新手法を導入する。
資金需要の低迷で融資競争が激しいうえ、日本銀行の異次元金融緩和により、国債金利は10年債がゼロ近傍、中短期債はマイナスに沈没。地銀の預金運用は厳しい環境にある。
異次元緩和が圧迫
地銀の持つ円貨の有価証券(主に国債)の金利リスク(金利変動による価格変動のリスク)は、膨張が止まらない。
多少なりともプラスの金利収入が見込める20年物や40年物など、預金の期間に見合わない超長期の国債にまで運用を広げたため、金利リスクが高まった。満期までの残存期間(デュレーション)が長い債券ほど、金利上昇時の価格下落率は大きくなるからだ。
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