みずほ銀行の藤原弘治頭取に聞く 顧客からの評価制度を導入
4月、みずほ銀行の新頭取に藤原弘治氏が就任した。藤原氏は米ニューヨーク勤務など海外経験が豊富で、経営企画部門では組織改革や中期計画の立案を主導した。今後は銀行・信託・証券の連携を軸とした「ワンみずほ戦略」の総仕上げを銀行トップとして指揮する。海外事業やフィンテックもみずほの将来を左右する。今後の戦略を藤原頭取に聞いた。
──最も優先順位の高い強化ポイントは何か?
ワンみずほ戦略を突き詰めたい。昨年にカンパニー制を導入したが、顧客のニーズに対して、グループとして課題解決を行う際の「広さ」と「深さ」を進化させる。
法人ならグローバル戦略や成長戦略、個人なら老後の資産形成や事業承継などのニーズに対して金融から入るのではなく、あくまで課題解決のベストパートナーになることが重要だ。金融サービスは結果として付随するにすぎない。
──新たな評価手法を導入した。
ワンみずほ戦略を完成させるのは何かといえば、それはお客様の評価だ。第三者によるインタビュー方式で法人、個人、海外の顧客からの評価制度を導入した。これを各部門の業績評価に組み込み、報酬にもリンクさせる。
──トランプ米大統領就任で海外事業の環境は大きく変化した。
米国でみずほの債券事業は10位以内の地位を確立した。次に大きく二つの手を打つ。今年度、初めてグローバル企業専門の担当役員を置いた。クロスボーダーでの提携・買収案件をテコ入れする。
もう一つは海外での産業調査機能の強化だ。同分野は国内で評価が高いが、今後は米国、東アジア、アジア・オセアニア、欧州の4極でも拡大し、合弁事業における企業への助言などビジネスを創出する。実務や実業に基づくコンサルティングは世界的にユニークだ。
──地方銀行再編が加速する中、傘下の千葉興業銀行はどうする?
千葉県で強力なブランドを築いている。将来的にはさまざまな選択肢があるだろうが、今は具体的に考えているわけではない。ただメガバンクは地銀が持っていない信託や海外ネットワークの機能を提供することができ、果たすべき役割は依然大きいと思っている。
──フィンテックでは今年、どんな新サービスが発表されるのか。
今秋にはスマートフォン向けデジタルウォレットアプリの提供を開始したい。複数のデビットカードやクレジットカードなどの機能を盛り込み、顧客とのコンタクトポイントに革新を起こす。将来的には、このアプリにみずほ版の電子マネーである「みずほコイン」も導入し、送金機能を入れる予定だ。
──昨年からの人事制度改革で年功序列の打破はどこまで進んだか。
最近、部店長人事で初めて30代前半の人材を登用し、50代で支店長初就任となった人もいる。これは一例だが、人事改革のキーワードは多様性と専門性。コンサルやソリューション、IT関連では専門人材が重要だ。そのような分野では今後、総合職ではなく、海外企業のように職務ベースの雇用契約体系にシフトしていく。
(聞き手・本誌:野村明弘)






















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