デルタ航空が成田を離れ韓国へシフトする理由 一大拠点置いた米航空のジャパンパッシング
成田空港に一大拠点を構えていた米デルタ航空。ついに“ジャパンパッシング”か。
日本の地盤沈下の反映なのか──。
米航空大手のデルタ航空が今年10月、成田空港発着の5路線から撤退する。成田とニューヨーク(ジョン・F・ケネディ空港)、ロサンゼルス、ミネアポリス、バンコク、関西国際空港とを結ぶ5路線だ。
成田はデルタにとって米国外で最大のハブ(拠点)空港。成田発着は週百数十便規模で、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)に匹敵するほど。整備拠点としても、米国外では最多となる100人強を雇い、自前の格納庫を持っている。
その一大拠点から五つの路線が消える衝撃は大きい。特にニューヨークと日本を結ぶデルタの直行便はゼロになる。「(撤退しない)デトロイトなどでニューヨークへ乗り継げばよいので問題はない」とデルタ側は説明する。が、航空業界内では、「デルタは日本人客を見限ったのではないか」とささやかれる。
さらなる成田撤退も
撤退のトリガーは、羽田空港の米国便発着枠拡大だ。2014年春に羽田で国際線発着枠が大幅に拡充。ANAやJALなど大手は相次いで欧州や東南アジアの路線を増便した。だが、米国路線は日米政府間で交渉がまとまらず、増便が見送られていた。
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