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市庁舎を襲う 倒壊危機 熊本からの警告

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今にも崩れ落ちそうな庁舎は熊本地震を象徴するものであった。災害時こそ必要な市庁舎が実は最も危ない。

九州各地に甚大な被害を及ぼした熊本地震。熊本では2回起きた震度7の揺れに加え、震度1以上の地震が5月末までに1600回超に達した。複数回に及んだ強い揺れは、民家や公共施設などの建物に多大な影響を与えた。

特に被害が激しかったのが、自治体庁舎だ。本来ならば情報収集や関係機関との調整など復旧への陣頭指揮を担うべき役場。熊本県内では宇土市、人吉市、八代市、大津町、益城町の5市町で本庁舎が機能不全に陥り、行政サービスに遅れが生じる事態が発生した。

鉄筋コンクリート5階建て、築51年の宇土市役所は、4月16日未明に観測された震度6強の地震で4階部分が大きく押し潰された。倒壊の危険性が高まったため、重要書類やコンピュータは置き去りのまま職員も庁内に立ち入り禁止の状態となった。災害対策本部は庁舎裏の駐車場に張られたテントに一時的に移動し、3日後には約700メートル離れた市民体育館へと移った。

公共施設の中でも庁舎耐震化は後回し

市の通常業務が全面的に再開できたのは5月に入ってから。現在は体育館や市民会館に部署を分散させて業務に当たるが、本庁舎で保管していた市民のマイナンバーカードが取り出せず再発行を余儀なくされるなどの問題も顕在化した。プレハブの仮設庁舎の建設が進み、本庁舎も7月中には解体作業に入りたい考えだ。市職員は「住民の戸籍関係書類などが入った金庫もそのとき取り出すことができれば」と話す。

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