英中が手を結ぶ 人民元国際化戦略 ユーロダラーの歴史から人民元の行方を占う
IMF(国際通貨基金)のSDR(特別引き出し権)構成通貨への採用が確実視されるなど、国際化戦略が着々と進む中国人民元。そんな中、10月下旬の英中首脳会談で決まった国際金融センター・ロンドンでの人民元ビジネス拡大は極めて重要な位置を占めそうだ。
真っ赤に染まった英国。その露骨な姿に世界中が仰天した。
安全保障問題や人権問題などで米国など西側諸国と緊張関係にある中国。その中国に、米国との親密な関係をかなぐり捨ててでもすり寄ろうという魂胆を英国は隠そうとしなかった。
中国の習近平国家主席夫妻を、エリザベス女王の住むバッキンガム宮殿に宿泊させ、首脳会談後の会見では「今回の訪英は新しい時代の幕開けだ。英中関係は黄金時代を迎える」とキャメロン英首相が高らかに語った。
もちろん、アヘン戦争のあった19世紀と今とでは、立場は完全に逆転している。英国が進める原子力発電事業などに、中国が総額400億ポンドの投資を行うのが、今回の戦略的パートナーシップの目玉だ。19世紀の覇権国が現在の経済大国にすがる構図が浮かび上がる。
だが、両国の急接近をそのような視点だけで見るなら、事の本質を見誤るだろう。実は中国側にも、英国のある得意分野にすがりたい事情がある。そして、当の英国が恥や外聞を捨ててでも中国に急接近した真の理由もそこにある。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら