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ファナック豹変の深層 株主重視を「鮮明化」

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市場に沈黙を貫いてきた過去。富士山麓に本拠を構える優良企業に何が起こったか。

サードポイントを率いるダニエル・ローブ氏(左・右写真:ロイター/アフロ)とファナックの稲葉社長(右)。山梨本社は一大変革期だ(下写真は会社案内から)

ファナックの株価はグイグイ上がり、時価総額が6兆円を超えた。きっかけは3月13日付の日本経済新聞のインタビューだった。稲葉善治社長が、株主との対話を重視すること、さらに株主還元を強化する意向も示したからだ。株価は当日、取引中に前日比で15%も上昇した。

24日には、4月にSR(シェアホルダー・リレーションズ)部を設置する、と正式に発表。これまで情報開示には消極的だっただけに、株主重視は方針の大転換だ。

先立つ2月に明るみに出たのが、物言う株主として知られる、米投資ファンド、サードポイントによるファナック株の取得だった。無借金のうえ、1兆円近いキャッシュの活用策として自社株買いを要求されたことで、市場の注目度ががぜん高まっていた。

きっかけは「国の方針」

ただ、「株主還元の強化は多くの機関投資家が水面下で求めてきたはず。サードポイントが大げさに言っただけ」(アナリスト)と評されるように、ファンドがファナックの“豹変”を演出したとするのは、極めて一面的な見方だ。

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