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問われる鈴木社長の経営ビジョン 前世紀からヨーカ堂の凋落が始まっていた

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「変化対応」の果て、どこに行くのか。改めて鈴木社長のビジョンが問われている

「全部門で、経費を三割減らせ」。鈴木敏文社長の緊急指令が飛び、イトーヨーカ堂に衝撃が走ったのは、3月初旬のことだった。

2月決算のヨーカ堂では、この時点ですでに1999年度予算が動き出していた。もともと切り詰めた予算だっただけに、現場は大混乱した。

鈴木社長は意に介さない。

「そりゃあ、現場は大変だと思っているだろう。だからこそ、みんな必死に考える。私一人で何でも分かるわけではないんだから、現場に考えてもらわねば」。予算が走り始めてから言い出したのも、いきなりのショック療法を狙ったためらしい。

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小売業界の優等生、イトーヨーカ堂も99年2月期では三期連続での営業減益を喫した。10店もの出店によって、人件費と店舗費が増加したためだ。品切れや値下げのロスが減ったことで、大手小売業では最高水準の粗利率を、0.7ポイント引き上げ31.4%としたものの、167億円増えた経費に利益が食われた。

「セールを実施した10、11月、12月の増益がなかったら、さんたんたることになっていた」(鈴木社長)。11月の消費税還元セールがあってこそ、ここまでの成績が残せたという。

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