メルカリ山田CEO「女子のSTEM奨学金」創設の背景 門戸広げる「抽選型」の選考にした納得の理由
2つ目は、抽選による選考だ。財団の目標を達成するにはSTEMを選択する女性を1学年当たり約1万1000人に増やす必要がある。より多くの女子に興味を持ってもらうためには、迷っている人でも気軽に応募できるように、選考も能力主義とせず抽選とする。
同じく奨学金を提供するソフトバンクの孫正義育英財団やユニクロの柳井正財団では能力や成績についての厳しい審査によって支給が決定されるが、その点、山田氏の財団では広く応募者を募ることで、“STEM女子”を社会的ムーブメントにしていく狙いがある。
そして、3つ目が、STEM分野で活躍している女性を知ってもらうことだ。いわば、自分の将来のロールモデルとなる人物を見つけることで、STEMをリアリティーのある選択肢として考えてもらうのだ。8月22日には、その第1弾として各界で活躍する女性たちが登場する学生向けオンラインイベントが実施された。
同財団では、9月30日のエントリー締め切り後、10月~11月にかけて募集内容に合っているかを確認するための書類選考を行い、そのうえで2次選考と抽選を経て奨学金内定者、最大100名程度を選出する。その後、内定者は受験を経て、合格通知を提出すれば22年4月から奨学金が支給される流れとなっている。
広く門戸が開かれた「山田進太郎D&I財団 STEM女子高校生奨学金」。興味のある方はぜひ応募してみてはいかがだろうか。

メルカリ創業者、代表取締役CEO。早稲田大学卒業後、ウノウ設立。「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのインターネット・サービスを立上げる。2010年、ウノウをZyngaに売却。2012年退社後、世界一周を経て、2013年2月、株式会社メルカリを創業。
(写真:山田進太郎D&I財団提供)
(注記のない写真はiStock)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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