急激な情報化で学校「混乱の年」を乗り切るカギ 戸惑う現場、本当にICTの活用は進むのか?
先生「上手にできたね。ところで誰が上手なの?」
子ども「○○さんです」
先生「では、○○さんに発表してもらいましょう」
例えば、そうやってプログラミングが得意な子どもに見本を示してもらうのです。その子は、プログラミング教室に通っているからできたのかもしれない。でも、これまでも水泳や習字の授業でも同じようなことがあったはずです。それぞれの家庭が教室や塾に通わせて得られた教育成果もうまく活用しながら、学び方、興味関心、スキルがそれぞれ異なる子どもたちをファシリテートして、全体にレベルアップすることがICT教育時代の教員の仕事と考えればよいでしょう。それが個別最適な学びにつながるはずです。
あとは教員の慣れの問題です。そして新しい、これから望まれるモデルのベストプラクティスを世の中に見せていくこと。たとえ最初はICTを上手に扱えない先生でも、よい教育をしているという実践モデルをフォローしていけば、いずれ混乱は乗り越えられると確信しています。
1964年熊本県生まれ。86年に東京学芸大学教育学部を卒業し、87年に東京都公立小学校の教諭として勤務。2009年東京工業大学より博士(工学)授与。文部科学省参与、玉川大学教職大学院教授などを経て、14年より現職。中央教育審議会・委員、文部科学省情報活用能力調査に関する協力者会議・主査、同デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議・座長、同教育データの利活用に関する有識者会議・座長、内閣官房教育再生実行会議初等中等教育WG・有識者などを歴任
(撮影:今井康一)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら

















