〈50年の歴史に幕〉東映が「スーパー戦隊シリーズ終了」へ、疲弊する制作現場と低迷した玩具売り上げを救う新ヒーローは誰?
スーパー戦隊は屋外での撮影が多い。お約束の爆発シーンは山に出向いてのロケとなる。近年は映画や配信用オリジナルコンテンツ、SNSなどの撮影まで並行して行っている。撮影スケジュールは当然過密となる。
撮影に慣れていない若手俳優をメインキャストとして起用するだけに、カット数はかさみやすい。若手俳優側にはプレッシャーがかかる。複数の関係者が「過去作品でも精神的に追い詰められた若手の出演者が撮影現場に行けなくなる事態が頻発していた」と明かす。
撮影期間が1年以上と長いことも特徴だ。人間関係が濃くなる分、トラブルやハラスメントも起きやすい。「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」では出演者同士の不倫疑惑も報じられた。
スーパー戦隊と似たような状況の仮面ライダーの制作現場をめぐっては、アシスタントプロデューサーを務めていた元社員が、21年に現場の過重労働を告発した。中央労働基準監督署(東京)は違法な長時間労働があったとして東映に是正勧告を出している。
爆発やアクションなど特殊技能が求められる現場の中で余裕がなくなれば、事故にもつながりかねない。11月6日には「仮面ライダーゼッツ」の撮影中に事故が起きた。アクション俳優が2メートルの高さから落下し、頭蓋骨骨折の重傷を負った。
「重大事故1件の裏では、もっと多くの事故やヒヤリハットが起きているはずだ」。日本芸能従事者協会の森崎めぐみ代表理事はそう指摘する。
玩具売り上げは仮面ライダーに負けていた
関係者によると、スーパー戦隊の後継番組として「メタルヒーロー」シリーズが検討されているという。「宇宙刑事ギャバン」(1982年放送開始)を皮切りに、80~90年代に放送していたシリーズだ。東映は11月11日に「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」を商標登録出願している。



















