第1四半期のGDP年率1.0%減、第2四半期も多難 「四重苦」に襲われ不確実性高まる日本経済

拡大
縮小

エコノミストの見方

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • GDPは予想より底堅かった。消費が落ち込んでいないのが意外、サービス消費がマイナス0.2%の軽い落ち込みというのはイメージと少し違う
  • 感染第6波は激しく2月まで消費はどんどん落ち込んでいった。3月にかけて急激に消費が持ち直したのならこういう数字になるが、そこまでいっていないと思う。遡及(そきゅう)改定で修正されるのではないか
  • ウクライナの影響はまだそんなに出ていない。中国の都市封鎖の影響の方が輸出の伸び悩みに出ている。ワクチンも含めて輸入が増えた
  • 今後は基本的には持ち直しの方が大きく出る。感染収束とともに大型連休も旅行客が増え、飲食客も戻ってきた
  • ただ、値上げの影響で当初みていたほど勢いはなくなってくる。政府は経済対策を打つが、消費を抑制する行動は出てしまう

第一生命経済研の新家義貴シニアエグゼクティブエコノミスト:

  • オミクロンなどの影響で年初は景気が弱かったことを示す内容
  • 米国など他国と比べ、改めて日本経済のコロナからの回復の遅れが確認できる
  • 今四半期は持ち直すとみているが、中国経済の減速、サプライチェーンの問題、資源高など引き続き懸念材料がごろごろしている
  • 日本経済の先行きに楽観的になれるような状況ではない
  • 実体経済の観点からは日銀は緩和を継続する必要があり、引き締めできるような状況ではない

(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)

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著者:占部絵美

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