倒産回避でも病院経営に山積する難問 補助金がなければ赤字拡大

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コロナ禍で激減した病院患者数の戻りは鈍い。従業員の離職も悩ましい課題だ。

2021年夏に感染者が急増したときは、ホテルに緊急酸素投与センターが設置されるほど医療施設が逼迫した(時事)

2021年の病院の倒産件数は、過去20年間で最低の水準になる見込みだ。帝国データバンクによると、11月末時点で医療機関のうち「病院」の倒産件数は1件のみ(20年は通年で4件)となっている。

帝国データバンクの阿部成伸・情報編集課長は「病院は公共性が高い事業で、倒産が極めて少ない業種。コロナ禍の影響による倒産も想像以上に少なかった」と解説する。コロナ関連の補助金や緊急融資で、経営の悪化が抑制されているからだといえる。

だが、病院の経営支援を行うグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの佐藤貴彦氏は、「危機感を持つ病院経営者は多い」と指摘する。「今は(コロナ関連の)補助金を含めて黒字だが、医業収益(医療行為による売上高)が減少している病院は焦っている。補助金があるうちに、病院の機能を変えたり病床を縮小したりと、ポストコロナの経営を考え始めている」という理由からだ。

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