サンドラッグ会長「電撃辞任」に映る焦燥感 利益重視から強気の拡大計画へ
「業界の天才」が築いた勝ちパターンに陰り。戦略転換には高い壁も。
大手ドラッグストアのサンドラッグで5月、「実力派会長」が電撃辞任した。辞任したのは代表取締役会長の才津達郎氏(73)。辞任の理由について同社のリリースには、「一身上の都合」とだけある。
「急な辞任で驚いた」「まさか功労者の才津会長が辞任するとは。何かあったのか」。業界関係者からはそんな声が聞こえてくる。
突然の発表に周囲がざわつくのには理由がある。辞任した才津氏は、サンドラッグの「中興の祖」ともいえる人物だからだ。
1957年に東京都世田谷区で多田幸正氏(故人)が創業したサンドラッグは、65年からチェーン展開を開始。現在は東京を中心に全国で「サンドラッグ」を展開するほか、ディスカウントストアの「ダイレックス」を運営する。総店舗数は1216店、2020年度の売上高は6343億円だ。上場ドラッグストア13社の中で売上高は4位と、大手の一角を占める。
才津氏は13年までの約20年間社長を務め、その後も会長として経営に携わってきた。社長在任中は20期連続で増収増益を達成。売上高は約16倍、営業利益は約12倍に成長させた。
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