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五輪は「やるしかない」菅首相の苦境 ワクチン接種進捗については国民の強い不安・不満

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支持率30%台で政権運営に「黄色信号」が点灯。ワクチンと五輪問題で眠れぬ日が続く。

菅氏に五輪中止の選択肢はない(写真は昨年11月に来日したバッハ国際オリンピック委員会会長との会談)(ロイター/ アフロ)

最近、「早寝、早起き」で知られる菅義偉首相は寝つきが悪く、これまでのように安眠できないという。

日本は主要7カ国(G7)首脳会議メンバーの中で新型コロナウイルスのワクチン接種率が最も低い。菅氏は3度目の緊急事態宣言の延長を決めた5月7日の記者会見で、「私自身が先頭に立ち、接種の加速化を実行する」と大見得を切った。だが遅々として進まない接種状況にしびれを切らし、官邸主導接種体制の再構築に乗り出して7月末までに3600万人の高齢者への接種を終えると宣言した。だが現状は厳しく、8月末までずれ込みそうだ。

そうした中、NHKの世論調査(5月7~9日実施)の結果が判明するや永田町に衝撃が走った。ワクチン接種進捗について「順調だ」の9%に対し、「遅い」は82%に達し、国民の強い不安・不満があらわになった。内閣支持率は前回比9ポイント減の35%、不支持率が5ポイント増の43%となり、支持、不支持が再逆転した。時事通信調査(同7~10日)でも内閣支持率が前月比4.4ポイント減の32.2%、不支持率は6.9ポイント増の44.6%だった。調査実施中の9日時点で、65歳以上の高齢者のうち1回目の接種が終わった割合は全国で0.9%、東京都で0.6%にとどまり、82%が「遅い」としたのもうなずける。

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