人事評価に翻弄される本部社員 「自腹営業」も制度が原因か

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セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長(左)、ローソンの竹増貞信社長(中)、ファミリーマートの澤田貴司社長(右)ら経営陣は社員の心をつかめているのか(撮影:今井康一、風間仁一郎、佐々木 仁)

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「日販が低い店をつくらないための仕組みだったが、本質を浸透させられなかった」(ローソン広報)。直近の2年間採用していたある人事評価基準について、ローソンは反省の意を示す。その基準とは、出店候補地の見定めから不動産物件の契約、加盟店オーナーの募集までを行う店舗開発部門を対象としたものだった。

開店2カ月目の日販(1店舗での1日当たり平均売上高)が、出店前に稟議書に記した予想数値の80%以下ならば、その店は出店数に含めない。65%以下ならば出店どころかマイナス1店と見なす──。2018年度に導入されたこの評価基準は、出店にこぎ着けても実績として数えてもらえないという点で社員に厳しいものだった。評価はボーナス額に影響するので、まさに死活問題だった。

しかも従来は、開店2カ月目以降の1年間の日販で評価されていたのに、開店2カ月目の日販で判断されることになった。

「異動もあるのに1年経たないと結果がわからないというのでは、責任を負わせられない。また、開店2カ月目の日販と、開店2カ月目以降の1年間の日販は近しい数字。そのため開店2カ月目の日販で査定することにした」。ローソン広報はそう説明する。

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