日本の経常収支に構造変化、10年後には赤字化も? ドル円相場の不思議な安定

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その背後に経常収支の構造変化と日本の課題が浮かぶ。

2020年東京オリンピック・パラリンピック後の日本経済の先行きや国の財政は盤石なのだろうか(撮影:今井康一)

最近、ドル円相場があまり動かなくなったことがよく話題になる。もちろん、ここ数年は世界金融危機のような劇的な出来事はなく、経済が安定している。

しかし、2016年のドル円相場は99.00~121.49円と約22円の幅で動いた。だが、17年は107.59~118.18円で、18年はFRB(米連邦準備制度理事会)の継続的な利上げの影響に米中貿易摩擦が加わって金融市場が不安定化したが、104.64~114.55円と幅は10円程度。19年は104.46~112.24円で収まった。直近では、米国がイランのソレイマニ司令官を殺害して不安が高まってもドルの下限は107.77円。中国発の新型コロナウイルス伝染の恐怖が広がっても108.32円だ(以上、東京市場)。

資金の流れに変化

動かないドル円相場の背後にあるのは、まず、構造的な日本企業の行動の変化だ。かつては、輸出で稼いだドルを国内に持ち帰るため円に替える取引が恒常的に発生し、基調として円高圧力があった。

関連記事
トピックボードAD