2018年秋以降にグローバルに大きく下落した株価が、年初来、米国株主導で急回復していることについては、いくつかのプラス材料が指摘されている。年初のパウエル議長の発言以降、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが停止されるとの観測が強まったこと、12月に悪化した米国の景気指標に一部改善が見られたこと、閉鎖が長引いていた米政府機関が再開されたこと。さらに、ここにきて3月1日の米中貿易協議の進展への期待も材料視されているようだ。
これだけ多くの材料が挙げられると、かえって株価の上昇を見て何か後付け的に説明を加えているだけなのではないかとも疑われる。実際のところ、急回復の主たる要因は、昨年末にかけてセンチメント先行で下落しすぎてしまったことの反動にすぎない可能性も否定できない。
その「センチメント」ということでいうならば、昨年秋以降のグローバル市場で強く懸念されたのは中国経済の動向であろう。しかし、前述のような好材料が出てくる中でも、中国経済に関しては、年明け以降も依然としてすっきりとしないものがある。
1月以降、日本企業も含めたグローバル企業の10〜12月期決算発表に際して、昨年11月ごろからの中国経済変調を示す事例が多数伝えられた。しかし、これだけ多くの企業が同様の状況を報告している割には、同時期の中国のマクロ経済統計で急変といえるほどの大幅な落ち込みを示すデータは限られていた。主要統計で11月、12月に明らかな急変の状況を示していたのは輸出入データくらいである。
この記事は有料会員限定です
残り 758文字
