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イラン核合意離脱はトランプ再選のため アメリカ離脱の内向きな理由

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イランの核開発を制限する核合意から、アメリカが離脱した。その背景には、トランプ大統領のごくごく内向きな理由がある。

(国際政治学者●高橋和夫)写真:アメリカの核合意離脱に対し星条旗を燃やして抗議するテヘラン市民

日本時間の5月9日の未明に、アメリカのトランプ大統領がイランとの核合意からの離脱を発表した。その衝撃が世界を走り抜けている。

そもそも、この合意とは何か。2015年に一方でイランが、他方でアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国の国連安全保障理事会の常任理事国5カ国とドイツを加えた6カ国が署名した文書である。イランは核開発への大幅な制限と、厳しい査察を受け入れた。それと引き換えに、6カ国側はイランに科せられていた経済制裁の撤廃を約した。この文書によって、イランの核問題が外交的に決着した、と思われた。

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最悪シナリオは軍事力の行使

それでは、イランの核問題とは何か。02年8月に、イランが秘密裏に核開発をしている事実が暴露された。これに対しイランは「平和利用である」と主張したものの、国際社会は軍事利用の意図を疑った。

そしてアメリカが主導して、イランに対しての国際的な経済制裁が科せられた。だが09年にアメリカでオバマ政権が、そして13年にイランでローハニ政権がそれぞれ誕生すると、この問題をめぐる交渉の機運が高まった。そして前述したように、15年夏に左記の合意に達した。

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