有料会員限定

リコーが巨額減損計上 販売網拡大の重い代償 名門企業のつまずき

拡大
縮小

数々の買収で成果を出せず。1800億円の減損で過去最大の赤字に。

2月に成長戦略を発表したリコーだったが、わずか1カ月後に今回の減損計上を発表した(撮影:尾形文繁)

「創業以来、最大の赤字となった。たいへん深刻に受け止めている」。事務機器大手、リコーの山下良則社長は何度もお詫びの言葉を繰り返した。

3月23日、同社は2017年度の営業損益(国際会計基準)が1600億円の赤字(前期は338億円の黒字)となる見通しを発表した。200億円の黒字予想から一転、6期ぶりの赤字となる。

赤字転落の要因は、北米子会社を対象とした巨額の減損処理だ。事務機器販売のアイコンオフィスソリューションズについて1400億円、中小企業向けITサービスを手掛けるマインドシフトなどで400億円の減損損失を計上する。

山下社長は「ペーパーレス化が想定以上に進んだ」と巨額減損の理由を説明する。事務機器メーカーは通常、オフィスなどに複合機やプリンタを設置し、その稼働が収益源となる。だが、先進国を中心に「設置台数、印刷枚数、1枚当たり単価のいずれにも増える要素がなく、すべてが少しずつ減っている」(IDC Japanの石田英次グループマネージャー)。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内