創業43年を迎える米マイクロソフト。日進月歩のIT産業ではすでに古株だが、近年また存在感を高めている。何が起こっているのか。
産業と社会にイノベーションを起こし、高い企業成長を実現する。そんなエクセレントカンパニーを生み出すことは難しい。もっと難しいのは、旬を過ぎたと思われた企業に、再び輝きを取り戻させることだろう。それを見事に成し遂げているのが、3代目CEO(最高経営責任者)のサティア・ナデラ氏が率いる米マイクロソフトだ。
停滞期を経て高まる成長期待
世界株高が進行した2017年。年末時点の時価総額世界トップ5は、米アップル(8608億ドル)、グーグルの親会社・米アルファベット(7294億ドル)、マイクロソフト(6599億ドル)、米アマゾン(5635億ドル)、米フェイスブック(5127億ドル)だった。
いずれも、IT分野のガリバー企業で、頭文字を取って「GAFAM」と呼ばれる企業群だ。AI(人工知能)やフィンテック、IoT(モノのインターネット)といった先端分野に期待が集まり、00年のITバブル期以来の「テクノロジーの春」を謳歌している。
ITバブル期に世界トップ5に入っていたのは、この5社のうちマイクロソフトただ1社。00年3月末、マイクロソフトは時価総額5530億ドルで世界首位。以下には米シスコシステムズ、米ゼネラル・エレクトリック、米インテル、NTTドコモが続いていたが、これら4社は17年にはトップ10圏外に姿を消している。
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