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私大歯学部の過酷な現実 歯科医になれない!?

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私大歯学部の歯科医師国家試験の合格率が大きく低下している。いったい何が起きているのか。

(ジャーナリスト●塚崎朝子)
写真:歯科医師の過剰が叫ばれて久しい(写真は本文とは関係ありません)

高い学費を払って歯学部に通ったのに歯科医師になれない。そんな過酷な状況が今、多くの私立大学歯学部で起きている。

日本で歯科医師になるには、全国に29ある大学歯学部で6年間の教育を受け、年1回行われる歯科医師国家試験(国試)に合格しなければならない。29歯学部の内訳は国立11、公立1、私立17。入学定員では私立が7割強を占める。

今年3月に発表された第110回歯科医師国試の合格率は65%(受験者3049人に対し合格者1983人)。2000年代初めの90%前後に比べ著しく低下している。同日発表の医師国試合格率89%と比べても大きく見劣りする。

しかも最低修業年限である6年での合格率(以下、6年合格率)を文部科学省資料で見ると、より無残な現実がある。16年の第109回国試の6年合格率は51%。国公立大学のそれは68%に達するが、私立大学は43%にとどまる。中でも鶴見大学(横浜市)は13%にすぎない。76人の入学者中10人しか6年で合格できなかった。日本大学松戸歯学部(千葉県)や朝日大学(岐阜県)、岩手医科大学、北海道医療大学も6年合格率は20%台だった。

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