教養としての「昭和史」集中講義
教科書では語られていない現代への教訓
井上寿一 著
採用数の多い『高校日本史B』の教科書を基に、事実の羅列になりがちな記述からこぼれ落ちた歴史的事件の詳細をつまびらかにすることで、当時の時代状況や人々の意識などをあぶり出す。
たとえば、「なぜ当時の人たちは日中戦争を支持したのか。反対していれば、その後の日米開戦も原爆投下もなかったのでは」という疑問には、戦争は短期に終わると楽観視し、戦地で犠牲者が増え始めているのを知りながらも、戦争で景気がよくなることを期待していたと分析する。
著者は、現代の価値観から歴史を断罪するのではなく、フラットな視点で歴史を振り返ることで、今につながる教訓を読み取ることの重要性を説く。
キラーストレス 心と体をどう守るか
NHKスペシャル取材班 著
「キラーストレス」とは、知らないうちに人間の体をむしばみ、将来の死因につながりかねない重大なストレスのことをいう。どうやって心と体を破壊していくのか、そのメカニズムを最新の科学的知見からまとめている。
同時にさまざまなストレス対策も紹介している。生理学的な角度からストレスに負けない運動と食生活。さらには、心理学的、精神医科学的な角度から「コーピング」と「マインドフルネス」という方法を取り上げる。
前者は、臨床心理学の世界で主流となっている認知行動療法を応用したもの、後者はある種の瞑想によるストレス解消法で、科学的根拠と実践方法も掲載。反響を呼んだテレビ番組の書籍化。
統計学が日本を救う 少子高齢化、貧困、経済成長
西内 啓 著
少子化は日本ばかりでなく多くの国に共通した悩みだ。著者は日本がOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも「育児にかかる経済的負担の軽減」と「公的保育サービスの拡充」の2点で遅れ、これらを高水準に引き上げることで少子化問題はほぼ解決するのではないかと推計されているとデータを示す。
少子高齢化、貧困問題、膨れ上がる医療費といった日本が抱えている社会問題に対して、私たちは今何をなすべきか。統計学の専門家が先行研究や統計解析結果から印象論を排し問題の本質とその解決策を提言。限られたおカネを何に使うべきか、使わざるべきか、経済成長を実現するために必要な施策は何か、統計学的視点で考える。
賞味期限のウソ
食品ロスはなぜ生まれるのか
井出留美 著
卵の賞味期限は通常、産卵から3週間だが、冬場なら57日間はほぼ生で食べることができる。ほとんどの食品の賞味期限は実際より2割以上短く設定されているが、消費者の多くは期限を1日でも過ぎると捨て、店では棚の奥の、期限が先の商品を選ぶ。
小売店も、食品業界の商慣習である「3分の1ルール」などによって、期限よりかなり前に商品を撤去。その結果、まだ食べられる食品を大量に廃棄する「食品ロス」大国に日本はなってしまっている。しかも消費者は意識せずに廃棄のコストを負担させられてもいるのだという。
食品をめぐるもったいない構造を改善するため、「賞味期限が近づいている食べ物を買う」から始めようと勧める。


























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