アマゾン目指す楽天は出店店舗を見捨てるのか 頼みの国内EC部門が失速でモール型を見直し
挽回策はジャンル特化。既存のモール型ECからじわりアマゾン寄りにシフトしている。
「うちは出店店舗がサイトのページを自由に作れる分、統一感を出すのが難しい」。楽天の松村亮企画部長は表情を引き締める。
頼みの国内EC部門の失速に見舞われた楽天。二重価格問題の傷跡やスーパーポイントアッププログラム(SPU)による採算悪化が懸念されるが、楽天側が改善点に挙げるのが、サイトの使い勝手である。
たとえばテレビの特定機種を買う場合、競合のアマゾンで検索すれば、価格、在庫数、配送日といった結果が一つ表示される。直販型ECで自社の在庫を抱えるため、基本的に“一物一価”が成り立つのだ。
一方、楽天を代表とするモール型ECの場合、サイトの主役はあくまで出店店舗。同一の製品でも店舗ごとに値段や配送日が異なり、特典も多様。検索すれば“一物多価”で、値段以外の特徴も訴求する結果がずらりと並ぶことから、「どの店舗で買えばいいかわからない」と戸惑うユーザーが少なくないという。
ジャンルを4分類 経営体制も刷新
もちろん両者の違いは今に始まった話ではない。これまでの楽天は特徴ある店舗をそろえるモール型ECの総合力で流通総額を伸ばしてきた。しかしその神通力も衰えを隠せない。アマゾンに限らず、EC市場に別勢力が台頭しているからだ。
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