弱電機界にも黄色信号 “良識ダム"の構築を図れ [対談]松下電器産業会長 松下幸之助 本社関西支社長 村山公三
扇風機など夏モノの不振,テレビの在庫増──家庭電器業界もいよいよ曲がりかどという印象がはっきりしてきた。こうした情勢下、再び陣頭指揮をとると伝えられる松下幸之助氏に業界の展望をきく(旧仮名遣いなど、原文ママ)。

曲がりかどの弱電業界
〈村山〉最近、高度成長も全般的に停滞ぎみであり、曲がりかども相当に鋭角的になっているといわれております。戦後大きく成長した弱電機業界もここへきていろいろな問題が起こっているようですね。
とりわけ、扇風機、テレビ、洗濯機などは、需要頭打ちといわぬまでも、実勢が弱まっている。そのうえ生産がふえている―ヘタすれば乱売戦が起こる恐れもあるやにみえます。
そうした問題をどう解決していくか、他部門にも大きな示唆を与えると思いますが……。
〈松下〉いまのところ、弱電界というより家庭電器です。
家庭電器は、通常、季節的なものと非季節的なものに二分されます。ごく身近なところでいえば、乾電池や螢光灯などは年中売れる。季節による売れ行きの変動はまったくありません。ところが、季節商品、たとえば扇風機やクーラーなどは夏しか売れない。
〈村山〉年に一度のチャンスということですね。
〈松下〉季節商品の生産計画のむずかしさがそこにあるのです。来年の需要をいまから考えねばならない。
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