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ネットがない時代ゆえ生まれたチェスの天才フィッシャー 米ソ冷戦での重大イベント、歴史的な大局

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ハリウッドの新作映画『ポーン・サクリファイス』は、苦難の人生を送ったチェスの天才、ボビー・フィッシャーの半生を描いた秀作だ。天才児といわれた幼年時代から、1972年に29歳でロシアの世界チャンピオン、ボリス・スパスキーに挑戦した歴史的な対局までを描いている。フィッシャーを演じたのはトビー・マグワイアで、輝いていた時代のフィッシャーを知っている私たちにとって、完璧な演技だ。

この映画は米ソ冷戦のさなか、重要なイベントとして注目されたチェス試合を描く。フィッシャーは精神面に問題を抱える一方で、チェス盤に向かったときには極めて高い能力を発揮する創造的天才だ。

ブルックリン出身の風変わりな若造が、ロシアの国家的スポーツでソビエト帝国に挑戦するというストーリーは、ジャーナリストの格好の報道ネタになった。この対局は、2カ月間にわたり、毎日のように世界中の主要新聞の1面を飾り、解説者が1日当たり最長5時間も、一手一手の動きを実況分析した。

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