成長頼みの財政再建 ~2020年度財政黒字化をめぐる攻防戦~
経済成長による税収増を大きく見込み、歳出カットを最小限に抑えたい諮問会議と歳出削減重視の財務省。6月末の計画とりまとめに向け、激突。山田徹也、野村明弘
5月13日、東京・永田町の自民党本部9階に、5月の大型連休を終えたばかりの国会議員たちが集まっていた。
財政再建に関する特命委員会──。政府の財政健全化計画づくりに党側の意見を反映させるため、党政調会長の稲田朋美をトップに設けられた組織だ。これまで一部議員間で議論してきたが、この日初めて自民党の全議員を対象に会議を開いた。
「ドイツは思い切って構造改革したことによって今の国力が出ている。きちんと財政再建を行ったことが成長戦略につながっていることを確信した。やったふりをする改革は必要ない」
会議の冒頭、連休を利用してドイツやアイルランド、ベルギーなど、欧州の財政再建事情を視察してきた稲田が力を込めると、会場から拍手が湧き起こった。
日経平均株価2万円をつけた株高によって、安倍政権の支持率は50%前後の高い水準で推移している。発足3年目を迎えた安倍政権にとって目下、最大の経済政策テーマは6月末の取りまとめを目指す2020年度までの財政健全化計画づくりだ。
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