批判され続けたニューレーバーの10年間 労働党ブレーンが振り返るブレア政治

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福祉国家でもなければ小さな政府でもない。「第3の道」を掲げ、ブレア政権が目指したものとは何だったのか。政権のブレーンが“新しい労働党”の10年を回想する

Anthony Giddens●1938年生まれ。世界有数の社会学者。ブレアのブレーンとして「第3の道」を構想。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス学長を経て現職。

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ブレーンがつづる「内側から見たブレア政権」

まるで昨日のことのようだ。1997年5月4日、私たちは労働党の勝利を祝って、祝賀パーティを開いていた。ゴードン・ブラウンをはじめ、新政権の閣僚となるべき人物の多くがパーティに参加していた。トニー・ブレアとシェリー夫人は現れなかった。数日来の緊張で消耗しきっていたのだろう。

このパーティには夫妻が後日、ダウニング街10番地の首相官邸に引っ越してきたときのような華々しさはなかった。みんな疲れていたし、その場の雰囲気は、静かに祝福するというたぐいのものだった。われわれの関心はすでに、政権が発足してからの今後数週間、数カ月間にどんなことが起こるかに移り始めていた。

あれから10年が経ち、ブレアは首相の座を降りた。この10年間を振り返ってみれば実にさまざまな出来事があった。バーニー・エクレストン(英国の大富豪でF1の興行主。労働党に献金したことから労働党が収賄を疑われた)、イラク戦争、国民医療サービス(NHS)をめぐる闘い、ブッシュ大統領や米国のタカ派に対する異常なまでの緊密さ……。中にはブレアの汚点となるような出来事も少なくなかった。

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