1年で株価6倍以上!AI&防衛「パランティア」の実力。最新決算も絶好調、エヌビディアの成長を彷彿
パランティアの強みはセキュリティー面の専門性とカスタマイズ性だ。政府機関や大企業の、高い信頼性が求められる用途に合わせて作り込める点が大きな特徴である。
他社の多くがクラウド上で手軽に利用できる汎用的な分析ツール(SaaS型BIツールなど)を提供するのに対し、パランティアは専門のエンジニアチームが顧客先に深く入り込んでソリューションを構築するという形で価値提供することが多い。
このため導入コストは高めだが、一度採用されると顧客の業務フローに深く結びつくため解約されにくく、長期的な契約に結びつきやすい。
データ分析という観点では、マイクロソフトやIBM、グーグルといった巨大IT企業とも競合する。パランティアは複雑な業務プロセス全体をデータで最適化する「運用型AIプラットフォーム」という独特の立ち位置をとり、政府・防衛分野を中心に競争優位を築いている。
AIブームで売上高は5割増
パランティアが8月に発表した2025年第2四半期(4~6月)決算は、市場予想を上回る非常に好調な内容だった。
売上高は前年同期比48%増で10億ドルを突破。とくにアメリカ民間部門の成長が顕著で、同93%増の大幅増収となった。この好決算には生成AIブームによる需要拡大や大型契約の獲得が背景にある。
パランティアは2023年に発表したAIプラットフォーム「AIP」を各業界に提案し始めており、大規模言語モデル(LLM)を企業内で安全に活用できるAIPへの需要が業績を大きく牽引したとみられる。
AIPはさまざまな業種で採用が進む。例えば病院向けには病床管理にAIを活用する事例、金融機関向けには住宅ローン詐欺の検知にAIモデルを応用する事例、製造業では工場の自動化にLLMを組み込む事例などが生まれている。
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