中国が「アメリカ大統領選への態度」を変えた狙い 4年前の"大統領選に関心はない"から変貌

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どちらが勝っても、中国はアメリカとの関係で難しい舵取りを迫られることになるため、現在のバイデン政権のうちにできることはしておいたほうがいいと考えるのだろう。

試される日本外交

外交は一方の国の都合だけで成立するものではない。米中間で頻繁な意思疎通が行われているということは、アメリカとしても、誤解や没交渉から中国と衝突するような事態は避けたいと考えているということである。

日本はアメリカの同盟国であるとともに、中国との間でも緊密な経済関係を有しており、米中の衝突は日本の国益にならない。日本としても米中間の対話を促し、両者が疑心暗鬼に陥るような状況は避けなければならない。

同時に、米中双方がますますお互いを意識して外交を進める中で、日本はその間に埋もれないようにする必要がある。アメリカにも中国にも日本との対話が必要だと感じさせるように、日本外交の独自性を高める努力が必要である。

産業力強化といった日本の国力を上げる取り組みとともに、東南アジアや中東など日本が伝統的に強みを持つ地域との関係を強化し、日本の存在感を大きくしていかねばならない。長期化する米中対立は、日本外交が試される機会でもある。
 

町田 穂高 パナソニック総研 主幹研究員

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まちだ・ほたか / Machida Hotaka

東京大学卒業後、2001年に外務省入省。高校時代に観たTVドラマ『大地の子』で聞いた中国語の発音に魅せられ、入省後は中国語を研修。中国・南京大学及び米国・ハーバード大学(修士号取得)に留学。中国・モンゴル課、日米地位協定室、国連代表部、在中国大使館(2回)などで勤務。「日中高級事務レベル海洋協議」の立上げや「日中海上捜索・救助(SAR)協定」の原則合意に関する交渉を担当・主導した。2022年4月に外務省を退職し現職。地経学研究所(IOG)主任客員研究員を兼任。

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