中国が「アメリカ大統領選への態度」を変えた狙い 4年前の"大統領選に関心はない"から変貌

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中国はロシアのウクライナ侵攻を批判しないが、決して満足もしていない。

ロシアはそれを理解しており、プーチン大統領は6月には北朝鮮とベトナム、9月にはモンゴルといった中国周辺諸国を訪問。これらの国々との関係を強化させ、中国を牽制し、さらには引き込もうとしている。中国としては、アメリカとの頻繁な意思疎通を見せつけることで、ロシアに対して揺さぶりをかけることができる。

大人しくする中国

中国側は「大人しく」して、アメリカ大統領選にはあまり触らないようにしたいと思っているのだろう。分断されたアメリカ社会が大統領選で混乱すれば、それはアメリカのオウンゴールであり、都合がいい。そこには中国の影がないほうがよい。

選挙戦では候補者が中国に対する政策の厳しさを競い合い、バイデン政権も中国に対して強く出ざるをえなくなる。小さな案件が政治的に利用され、思いもよらない形で大きな問題になりかねない。中国としては、選挙戦で「悪役」とされ、不必要な制裁などを被ることは避けたい。

そして選挙結果にかかわらず、新政権は中国には厳しい姿勢で臨んでくることも覚悟している。中国の有識者などと議論していると、トランプ氏もハリス氏も「どっちもどっち」だと思っており、どちらが次期大統領になっても、厳しい米中関係は続くだろうと腹をくくっているように感じられる。

トランプ氏は、再選されれば中国からの輸入品に高関税を課すことを公約としているが、中国は単独主義的なトランプ氏とは直接取引ができる。一方、ハリス氏が大統領となれば、高関税は免れるが、バイデン政権と同様に、アメリカは同盟国や同志国を巻き込んで中国との経済活動を制限してくる。

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