中国が「アメリカ大統領選への態度」を変えた狙い 4年前の"大統領選に関心はない"から変貌

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トランプ前政権は、中国に貿易戦争を仕掛け、共産党体制そのものへの批判にまで踏み込んだ。バイデン政権は中国を、「国際秩序を書き換えようという意思を持ち、その能力を持った唯一の競争相手」と位置づけ、同盟国とともに中国の発展を抑制しようとする。

台頭する中国には負けない姿勢という点で、アメリカ政府に党派の違いはない。

中国の対米外交にある打算

中国は自らの国家目標を変更できないし、アメリカも中国のさらなる成長を認められない。当分の間、米中対立の構図は変わりようがない。そして中国指導部は、現時点ではアメリカに軍事的、経済的に及ばないことを理解している。

米中対立が長引き、競争がコントロールできなくなり、軍事衝突などに発展すれば、中国の「社会主義現代化強国」は夢のまた夢になってしまう。

今年8月にサリバン補佐官と会談した習主席は、「アメリカと中国という2つの大国の付き合いは、お互いに対して正確かつ戦略的に認知することが最も重要であり、米中は相手なのか仲間なのかという問題に答える必要がある」と強調した。

中国としては、アメリカは競争する相手ではあるが敵対する相手ではないと「正確に」認識するよう訴え、対立がヒートアップすることを対話を通じて防ごうとしている。

さらに米中対話を頻繁に行う際に、中国はロシアも意識しているだろう。

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