「EVでも独自性は出せる 競合の土俵には立たない」 インタビュー/スバルCTO(最高技術責任者) 藤貫哲郎

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ふじぬき・てつお 1986年、富士重工業(現SUBARU)に入社。2012年に技術本部 車両研究実験第一部部長兼研究実験センター長。19年に執行役員 技術統括本部長兼第一技術本部副本部長。20年から現職。21年4月、常務執行役員。(写真:SUBARU)

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SUBARU(スバル)といえば、水平対向エンジンなど独自の強みを持つメーカーだ。だが、EV(電気自動車)が主流となればこうした強みが生かせなくなる。これまでのような“スバルらしさ”は残せるのか。技術開発部門のトップに立つ藤貫哲郎CTO(最高技術責任者)に聞いた。

──EVが普及し、エンジン回りの強みがなくなると、スバルの個性が消えてしまいませんか。

「EVになったらスバルはダメ」と言われるのは正直カチンとくる。私自身はまったくネガティブに捉えていない。スバルらしさは、エンジンなどの部品に依存するものよりも、ノウハウとして蓄積してきたものが多い。

他メーカーとの差別化と言ったときに、スバルの特徴というのは、ある領域での過剰品質だと思っている。「え、そこまでやるの?」みたいな部分。そこが重要になる。

近年はエンジン車よりもEVのほうが、これまでできなかったことが、もっとできるようになるということがわかってきている。1つの答えが2022年に出てくるEVのソルテラ。乗ってもらうと、「あ、これスバルだよね」って感じてもらえると思う。

──ソルテラはトヨタ自動車との共同開発車です。トヨタ車とは違うスバルらしさを表現することは可能ですか。

どこを差別化するのかということを真剣に考えれば解は出る。スバルの企業規模では一から十まで単独ではできない。協調できるところは協調して、競争する部分にリソースを投入することで、高いレベルで差別化ができる。

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