ゴーン被告の絶望と逃亡、レバノンからの宣戦布告 再び注目を集める「日産問題」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

日本の司法に絶望して密出国。ここからどんな反撃に出るつもりなのか。

1月8日の会見でスクリーンに証拠を列挙し身ぶり手ぶりを交えて1時間以上熱弁を振るったゴーン氏。その主張は昨年10月に主任弁護士が作成した「予定主張記載書面」がベースになっているようだった(picture alliance/Getty Images)

保釈中だったカルロス・ゴーン被告が密出国し、世界中のメディアを巻き込んで自由に主張を始めたため、「日産問題」が再び注目を集めることになった。100人以上の記者を前に、1月8日にレバノンで会見を開いたゴーン氏は、「日本では公正な裁判を受けることは不可能だった」と逃亡の理由を語った。

東京地検の斎藤隆博次席検事は翌9日の会見で、裁判所に保釈を反対していた理由について、「豊富な資金力を持ち、複数国に拠点があり、人脈を持ち影響力が大きいことから逃亡のおそれがあった」と述べた。

ただ、出入国の専門家に言わせれば、検察が指摘した点だけでは逃亡できない。

元入国警備官で現在は外国人の出入国関連を中心に行政書士をしている作家の久保一郎氏は、「丸裸でも受け入れてくれる国があることと、特殊な方法で送り出す経験のある人物・グループの存在が不可欠だった」と解説する。ゴーン氏もレバノンの大統領もキリスト教マロン派の信徒で、「(深い人脈があるといわれる)レバノンは丸裸でも受け入れてくれる国だった」(久保氏)。逃亡を指揮したとされる人物は米特殊部隊のグリーンベレー出身。アフガニスタンで拘束された米記者を救出した経験を持つというのだから、まさに特殊な方法を知る人物である。

関連記事
トピックボードAD