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JR北海道 「組合介入」を許した経営 集中連載 JR歪んだ労使関係(3)

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旧国鉄時代の悪弊「現場協議」をひそかに復活させていたJR北海道。それは2011年の中島社長自殺の引き金になった可能性がある。

ノンフィクションライター●西岡研介
写真:公的資金の投入が予定されているJR北海道。そこには知られざる闇がある

JR北海道社員の8割が加入する最大労組「北海道旅客鉄道労働組合」(JR北海道労組、約5530人)。この労組で、組合を批判した組合員が除名処分を受け、会社により畑違いの部署に異動させられた末、今年の1月に亡くなっていたことは前号で述べた。だがJR北海道の「異常な労使関係の犠牲者」は彼だけではなかった。

2011年9月18日、小樽市の海岸沖で、同社社長の中島尚俊氏の遺体が見つかった。6日前から行方不明になっており、海中に身を投げての自殺だった。自殺の動機について、11年5月に石勝(せきしょう)線で起きた特急列車の脱線・炎上事故と、同年7月に明らかになった、労働時間のルールを定めた「36協定」の違反への対応に忙殺され、心身ともに疲弊したからではないかと、当時いわれた。

もちろんそれが大きな要因になったのは間違いない。ところが直接の引き金になったのは、このとき同社がJR北海道労組と締結しようとしていた合意文書にあるとみられることが、今回の取材で初めて判明した。これは労使双方のトップ同士しか知りえない、同社の「封印された」歴史だ。そして、それはJR北海道の歪んだ労使関係を赤裸々に示す証拠でもある。

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