JR北海道が「単独では維持することが困難な」10路線13区間を発表したのは、2016年11月。10路線13区間の距離合計は、JR北海道全路線の約半分に相当する。

路線維持の方策として、JR北海道は「上下分離方式」を提案している。北海道や沿線自治体が線路などの設備を保有し、列車の運行はJR北海道が担う方式で、赤字路線を実質的に経営から切り離すことができる。
しかし、財政難に苦しむ沿線市町村は、この考え方に反発。JR北海道と沿線自治体との路線見直し協議は1年以上、膠着状態が続いた。
これに業を煮やしたのが、JR北海道の第三者委員会「JR北海道再生推進会議」(議長=宮原耕治・日本郵船相談役)だった。同会議は14年1月、国土交通省がJR北海道に事業改善命令などを出した際に設置を求めたものだ。JR北海道の経営を監視し、再生策を助言する機関で、同社に強い影響力を持っている。
同会議の有志は17年12月、JR北海道や道などに対し「対象路線の存廃を1年以内に示すべき」と求めるとともに、JR北海道の当事者意識の薄さや、高橋はるみ北海道知事の指導力不足、路線見直し協議への沿線市町村の消極姿勢を批判した。
JR北海道の試算によれば、現状の路線を維持し続ければ年間180億円の経常損失が発生し、維持困難な線区のうち7路線8区間だけで今後20年間の維持費用(修繕・更新費用)が435億円かかる。このままいけば20年にも資金ショートに陥るとみられる。同会議は、「道がリーダーシップを発揮し、1年以内に路線の存廃も含む交通体系の設計図を示すべき」と結論づけた。
その一方、同じ年の12月、高橋知事は、JR北海道の鉄道維持に向けた国の支援を、石井啓一国交相に要請した。道は当初から、JR北海道が示し、国交省も支持する上下分離方式には否定的だった。
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