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単身世帯急増時代の社会保障 高まる介護・孤立・貧困リスク

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80歳以上や50代で急増する単身世帯。家族による支え合いが弱くなる中、社会保障の強化が必要だ。

(みずほ情報総研主席研究員・日本福祉大学教授●藤森克彦)写真:2030年にかけて高齢者の単身世帯が急増していくことが予想されている

日本の社会保障の特徴は「家族」が大きな役割を果たしてきた点にある。たとえば介護だ。2000年に公的介護保険が導入されたとはいえ、要介護者のいる世帯に「主たる介護者」を尋ねると7割が「家族」と回答している。

他国を見ると、スウェーデンのように、主に「政府」による社会保障制度によって生活上のリスクに対応する国がある(図表1)。また、米国では、「家族」でも「政府」でもなく「市場」から、本人が自己負担で介護サービスを購入して対応する傾向が強い。慶応義塾大学の権丈善一教授は、家族、政府、市場といった福祉の提供主体から福祉国家を三つに分類し、日本を「家族依存型」と指摘する。この分類は、日本の社会保障の特徴をわかりやすく示している。

[図表1]
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日本では家族が大きな役割を果たしてきたため、政府が支出する社会保障給付費の支出規模は低い水準にある。一般に高齢化率が高い国は、社会保障費の規模も大きくなる傾向が見られるが、日本はそうなっていない。社会保障給付費よりもやや広い概念である「社会支出(対GDP〈国内総生産〉比)」と「高齢化率」をクロスさせてみると、日本の高齢化率はOECD(経済協力開発機構)33カ国中トップであるというのに、社会支出の対GDP比は全体的な傾向を示すラインを大きく下回っている(図表2)。

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